- 介護に少し興味がある
- 介護職としてやっていきたい
- 経験ないけどできる?
現役グループホーム管理者のさとしです。2015年から介護へ転職し、2017年からグループホームで管理者をしています。
ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
このブログでは介護未経験の方、介護管理職の方に向けて、私の経験をもとに発信をしています。
さっそくですが、未経験で介護職になるのは全く難しくありません。
私もその1人ですから。
ちなみに介護へ転職する前の私のスペックはこちら。
- 3年以上のニート生活…
- その間人との関わりもなし…
- 介護の知識も経験もなし…
- 当然、介護の資格もなし…
正直どうしようもなくダメダメな生活を送っていましたが、
こんな私でも、たった3年でグループホームの管理者になることができたんです。
グループホームの管理者、すなわち施設のトップです。
そんなダメダメだった私が、どのような経緯でグループホームの管理者になったのか、皆様にお話していこと思います。
介護職に興味がある方は、今後のキャリアプランの参考になると思いますので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。
介護転職を決意したきっかけは…
私が介護の転職をしたきっかけは母でした。
母も介護の仕事をしていたのです。
介護のイメージは【きつい・汚い・給料安い】
イメージではありませんでしたが、24歳からニートだった私は、
「このままではいけない…」
と心の底から思い、母の紹介で介護へ就職を決意しました。
当時は出来るのか不安という気持ちではなく、やらなきゃいけないと言う気持ちもあって、「まぁ出来るだろう」と前向きな気分でした。
転職先はこじんまりとした小さな事業所
母が紹介してくれたのは、自宅から歩いて5分でいける小規模多機能型居宅介護という事業所でした。
小規模多機能型居宅介護とは
中重度の要介護者となっても、在宅での生活が継続できるように支援する、小規模な居住系サービスの施設です。デイサービスを中心に訪問介護やショートステイを組み合わせ、在宅での生活の支援や、機能訓練を行うサービスです。
小規模多機能型居宅介護とは | 健康長寿ネット (tyojyu.or.jp)
出勤初日に施設長が私のことを紹介してくれたのを覚えています。
「全くの初めてなのできちんと教えてあげて下さい」
ちなみに知識も経験もない私が最初にしていた仕事は、
- 利用者さんの送迎
- レクリエーション
- 利用者とのお話し
- 身の回りの手助け
とこんな感じです。
中でも最初にした仕事は片麻痺の利用者さんのトイレ介助。
「いきなり実践…!?」
とも思いましたが、「意外とできた」というのが率直な感想でした。
もちろん慣れるまではマンツーマンで教えてもらいました。
就職した小規模では元気な利用者さんも多く、初心者の私にはありがたい環境だったのかもしれません。
家庭的で一般住宅を改造した小さな事業所で、当時のスタッフもとても優しく接してくれたのを覚えています。
小規模は未経験でもおすすめです
小規模の特徴は、デイサービスや訪問介護、お泊まりなど網羅的に介護サービスを展開しているところです。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設のように、重度な要介護者は比較的少なめ。
認知機能や足腰元気な利用者さんも多くいらっしゃいます。
ただ小規模はデイサービスとしても機能しています。
お年寄りを楽しませるレクリエーションも盛んなので、皆んなでワイワイ盛り上げるような瞬間もあるかもしれません。
みんなの前で、ラジオ体操をするとなった時はめちゃくちゃ嫌でした…
ただ安心して下さい、慣れます!
なので介護を始める入口としては入りやすい事業所だと感じました。
小規模が未経験向きとは言いませんが、当時無資格未経験の私でも取り組むことができたのは事実です。
介護サービスがよくわからない方は、小規模多機能型から挑戦するのもありです。
下のお世話ができるか不安だった…
未経験の方がよくつまづくのが、下のお世話。
安心して下さい、これも慣れます!!
最初は強烈な臭いにやられそうになる時もありますが、それも本当に最初だけです。
介護に興味を持っている方で、下のお世話ができなくて断念した方はあまり聞いたことがありません。
マジで慣れます。
小規模のことは下記リンクでも詳しく解説しています。
【介護3ヶ月目】資格取得を決意
仕事にも慣れてきた私は介護を続けていこうと決意しました。
そして転職から3ヶ月目、初任者研修を取得することにしました。
初任者研修とは…
介護職員初任者研修は、『在宅・施設を問わず、介護職として働く上で基本となる知識・技術を習得する研修』(厚生労働省より)です。 この資格を持つことで、介護職としてのキャリアがスタートし、正社員・パートなどのさまざまな働き方で活躍することができます。
介護職員初任者研修とは? – メリット・資格情報|ベネッセスタイルケア介護資格 (benesse-style-care.co.jp)
私が受講した初任者研修は週2回のスクーリングを3ヶ月間する内容でした。
受講メンバーは20人もいない程度で、まだ介護を始めていないような方もいました。
個人的には一度職場を経験してから資格取得を目指す方がいいです。
資格を取っても「実際の現場では無理でした…」てこともありえるからです。
介護でいける!と感じたら資格取得を目指しましょう。
同じ境遇の方ばかりで、介護仲間もできるからオススメ。
【介護6ヶ月目】初任者研修取得後に転機
介護へ転職してから半年ほどたった時でした。
私はある情報を耳にすることに…
それは勤めている法人で新しくサービス付き高齢者向け住宅を新設しているということでした。
略して「サ高住」。
私の中でビビッときました。
新規事業の立ち上げに参加できるチャンスはそうそうない…!
サービス付き高齢者向け住宅とは…
ご自宅とほぼ代わりない自由度の高い暮らしを送りながら、スタッフによる「安否確認」と、「生活相談」のサービスを受けることができる賃貸住宅です。 また、外出の付き添いや食事の提供など、さまざまなオプションのサービスが受けられるところもあります。
【はじめての方へ】サービス付き高齢者向け住宅とは?老人ホームとの違い|LIFULL介護(旧HOME’S介護) (homes.co.jp)
そして尊敬する同僚だった方も、施設長としてサ高住へ行くことを知り、
「僕も行きたいです!」
と何度もお願いしていました。
介護経験6ヶ月でリーダーになる
同僚の推薦もあってか、無事サ高住での勤務を開始することができたんですが、
なんとリーダーに抜擢されてしまいました。
嬉しい…嬉しすぎる!
ただ見ての通り、介護半年程度のペーペー。
知識も経験も浅いから、わからないことが多すぎて苦労の日々でした。
じゃあなんで、こんなペーペーの私がリーダーになれたのか!?
会社の規模が小さいからです。
まぁこれは就職してからわかったことですが、
具体的に職員を育成していくような仕組みもないですし、
リーダーに必要な条件もなかったので、人柄と推薦だけでなれたようなものです。
おかげで苦労したのも事実ですが…
ただ規模が小さいが故に巡ってきたチャンスでもあると思います。
社会福祉法人や組織図が完璧に組まれているところでは、
こんな短期間でリーダーはまずありえないでしょう。
最短で役職に就きたいなら、規模の小さい事業所がオススメです。
デカすぎるとこは何十年かかるかも…
サ高住では初任者研修が活きる
話が少し戻りますが、サ高住では初任者研修の資格がとても役立ちます。
サ高住には初任者研修以上の資格取得者が1人以上常駐していないといけないルールがあるからです。
後から知ったんですけどね…
それに加えて、サ高住内では訪問介護も積極的に実施されているので、
マジで初任者研修以上の資格が必要です。
訪問介護とは…
自分や家族だけで日常生活を営むことが難しくなった要介護者に対して、介護福祉士やホームヘルパーが自宅に赴き、入浴、排泄、食事等の介護、掃除、洗濯、調理等の援助、通院時の外出移動サポート等の日常生活上のお世話を行うサービスです(ただし、「夜間対応型訪問介護」にあたるものを除きます)。訪問介護を利用できるのは、居宅で生活を送る、「要介護」と認定された人です。ここでいう「居宅」には、自宅のほか軽費老人ホームや有料老人ホームなどの居室も含みます。
訪問介護とは | 健康長寿ネット (tyojyu.or.jp)
訪問介護は直接自宅へ赴き、一人で対応していく事もあって初任者研修の資格を保持していないと出来ない介護サービスになっています。
私が初任者研修を取ったタイミングはバッチリだったということです。
介護はマジで資格が活きてきます。
【介護3年目】管理者に抜擢
順調にサ高住で経験値を高めて2年3ヶ月目の事、再び転機が訪れました。
サ高住でのリーダー経験が認められてグループホームの管理者に抜擢されました。
グループホームとは…
認知症高齢者が住み慣れた地域で生活を続けられるようにすることがグループホームの目的です。 入居条件グループホームに入居するには、65歳以上、要支援2または要介護1以上の認知症患者である必要があります。 また、地域密着型サービスであることから、施設と同一地域内の住居と住民票があることが求められます。
グループホームとは?入居条件や費用からメリット・デメリットまで | 知っておきたい介護の知識 (irs.jp)
「介護を始めて3年に満たない僕が管理者…?」
「僕にできるのか…!?」
認められて給料も上がる嬉しい気持ちと、
私みたいなペーペーでできるのかという強烈な不安で押しつぶされそうな日々でした。
抜擢された理由は今の管理者が辞めるから
こんなペーペーの私に声がかかった理由です。
そして職場と住まいの距離関係や私の経歴など、辞めるタイミングとマッチしたのが私だったということです。
声がかかった時点では、5ヶ月ほどの猶予がありましたが、
今振り返ると、考えるには十分な時間があったように感じますが、毎日葛藤の日々であっという間でした。
今の職場が楽しい…
でもこのままでいいのか…?
そんな葛藤が続き、家族、同僚、上司などありとあらゆる人に相談する日が続いたのを覚えています。
私の経験で管理者ができるのか…?
当時の私のスペックはこちら。
- 介護歴2年6ヶ月
- 介護職員初任者研修
「え…?これで管理者できるの…?」
もちろんこれでは不足しています。
ということでグループホーム管理者の要件がこちらです。
- 認知症介護に従事して3年以上の実務経験
- 認知症対応型管理者研修
- 認知症介護実践者研修(※自治体によって違いあり)
②と③は推薦をもらえれば、開催時期に合わせて簡単に受けることができます。
③は結構めんどいですが…
あとは①の実務経験ですが、「今の管理者が辞める時期には私も3年に達するので問題ない」ということでした。
なんとこんなペーペーの私でも、意外と簡単にグループホームの管理者になれちゃうんです。
簡単とは言いませんが、思ったより要件は甘いと感じました。
そんなこんなで、結局3ヶ月くらい悩み倒しました。
管理者になることを決意
悩んだ挙句、年齢も30歳間近だったこともあり、スキルアップしようと思い管理者になることを決めました。
5ヶ月ほど時間はありましたが、3ヶ月ほど悩んで残りの2ヶ月くらいはほとんど調整だったので、あっという間でした。
「なんでOKしてしまったんだ…」
「まだ戻れるかな…」
そう考える瞬間もたくさんありましたが、正直OKだした後に「やっぱり辞めたいです」は会社にかなり迷惑と思い、そのまま月日が流れたといった感じです。
ということで、ペーペーの管理者が誕生した瞬間です(笑)
先ほども言った通り、管理者になるには認知症介護の実務経験が3年以上です。
つまり私は実質、最短で管理者になれたことになります。
しかも当時29歳。
できるできないは置いておいて、我ながら自慢できることだと思っています。
そうでも思わないとやってられない。かな。
管理者1年目は苦悩の日々…
それなりの気合いを持って臨んだ1年目は、マジで撃沈でした。
私は何もわかっていなかった…。
部下を持つと言うこと、マネジメントをわかっていなかった。
退職者を複数だしてしまったのを覚えています。
原因は私の「無関心ぶり」
今となってはそう思います。
あまり部下のことに興味が湧かなかったので、それが致命的でした(元々そういう性格でした)。
つまり、部下のストレスを察知できない。
管理者(上司)になる上で、部下のことを知ることは、とても重要だったことに少しずつ気付かされていきました。
「サ高住時代にリーダー経験してたじゃん…」
と思われるかもしれませんが、あの時は施設長に守られていたんだと思いましたね。
当時の施設長からも、「あとは人のことだね(マネジメント)。」
と言われていたのも、後から徐々に思い出しました。
やることの多さに圧倒される…
「利用者も9人だし、結構やりやすいと思います」
いやいや、やること多いよ!!
いざ勤務してみて感じたことです。
グループホームは介護保険施設なので、サ高住と比較すると圧倒的に書類とかやることが多い。
仕事内容は下記リンクで解説していますが、いかにサ高住でのんびりしていたか思い知らせれました。
勉強の日々
マネジメントのこと、グループホームのこと、
特に、マネジメントのことは毎日のようにYouTubeで勉強していました。
ちなみに一番よく見ていたのは「マコなり社長」のチャンネルでした。
対人関係とかコミュニケーションとか、仕事に役立つことを発信されていたので、マジで役に立ちました。
悩める管理職の方にオススメできます。
一年かけて自分の色にしていく
今思えば最初は安定しなくて当然かと思います。
介護以外にも言えますが、管理者(トップ)が変われば雰囲気が変わるのも当たり前です。
管理者によって方針も違えば好みも違うし、採用する人材も違うと思います。
管理者の交代に伴って、部下が辞めてしまうのも仕方ない部分でもあると思います。
私は前の管理者ではないし、考えや価値観も全く違う。
ただ、自分のやり方に一貫性を持っておくことは大事です。
言動が伴っていないと、部下はついてきてくれませんからね。
最初の1年目は苦労するけど、一生懸命していれば1年ほどであなた色の施設になります。
【介護8年目】新たな資格を取得
介護福祉士を受けました。
結果から申しますと、受かりました。
正直なところ、介護歴8年でそのうち管理者経験が5年の私にとっては簡単な試験でした。
正直取るつもりはあまりなかったのですが、介護業界は何かと資格が必要な世界。
部下の1人が取ると言い出して、私もそれに便乗した形で受けることになったのです。
部下が取ると言い出さなかったら、一生取らなかったかもしれません…(笑)
ちなみにケアマネも取るつもりがないので、そのこともあって介護福祉士にも興味がなかったのですが、
お金もかからずに(教育訓練とか無利子の貸付制度とかでお金は返ってくる)簡単に取れるなら、さっさと取っておけばよかったと思いました。
【介護10年目】今もグループホーム管理者
2024年11月でグループホーム管理者になって丸7年が経ち、8年目に突入しました。
相変わらず職員不足に頭を抱えていますが、地域にもそれなりに知ってもらえて、すっかり私の施設カラーとなっています。
正直ここまで続くとは思っていませんでしたが、そろそろ次のステップも考えていたりします。
社会福祉士です。
実は相談業務が好きなのではと気づいたので、社会福祉士の勉強をしようかと考えています。
受験資格をが全く満たしていないので、学校に丸4年通信で勉強してですが(泣)
ちなみに私のグループホームでは、未経験から働き出した方もたくさんいます。
未経験から入った方は今も辞めずに続いているので、グループホームも未経験の方にはオススメできる事業所だと感じています。
ぜひ検討してみてはどうでしょう。
無資格未経験はダメじゃない
未経験の良さは未経験であることです。
介護では無資格未経験から働く事ができる一方で、十分な教育を受けれず我流でやってしまう方も多くいます。
長年してきた我流を曲げるのはとても大変、未経験の方で真っ新な状態から指導をする方がお互いメリットになりやすいと言えます。
介護未経験の方はしっかり教育してくれる環境も大切になってきます。
介護は少しずつ良くなっている業界
下記の表は過去5年間の介護職員の平均賃金となっており、5年間で約2万円近く上がっていることがわかります。
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
227,275円/月 | 231,553円/月 | 231,135円/月 | 240,878円/月 | 242,273円/月 |
令和3年度介護労働実態調査より
所定内賃金の平均額を支払形態別(月給の者、日給の者、時間給の者)でみると、月給の者の平均賃金は242,273円/月、日給の者の平均賃金は10,560円/日、時間給の者の平均賃金は1,231円/時間であった。
調査報告 | 介護労働安定センター (kaigo-center.or.jp)
また2022年10月から「介護職員等ベースアップ等支援加算」が新たに創設されたこともあり、国も介護業界の賃金アップを積極的に行っていることがわかります。
決して高賃金とは言えませんが、国も力を入れている職種でこれからも右肩上がりで伸びていく、将来性のある業界と言えるでしょう。
転職サイトを使った転職もオススメ
昔からハローワークや求人広告を使って転職先を探す方法もありますが、転職サイトや転職エージェントを使って転職先を探す方法もとても有効な手段の一つです。
理由としては、
- 求人広告には載っていない求人が多い
- 無料で条件にあった職場を見つけれる
介護職向けの転職サイトを一部ご紹介していますので、転職する際の参考にしてみて下さい。
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まとめ
- 【未経験】小規模多機能へ就職
- 【3ヶ月目】初任者研修を取得
- 【6ヶ月目】サ高住へ異動
- 【2年3ヶ月目】管理者に抜擢
- 【3年目】グループホーム管理者に就任
介護は無資格未経験から挑戦する人が多く、私もそういった方をたくさん受け入れてきました。
未経験からでも私のように最短で管理者までなれる道もありますし、管理者になれば今後のキャリアプランの幅も広がります。
真っ新なとこから始めれる未経験者は現場でも重宝される存在です。
低賃金などまだまだ課題はありますが、右肩上がりの業界である事も事実。挑戦する価値は十分にある業界だと感じているので、私の経験をきっかけにチャレンジされる方が増えると嬉しいです。