- 介護に少し興味がある
- 介護職としてやっていきたい
- 経験ないけどできる?
現役グループホーム管理者のさとしです。2017年からグループホームで管理者をしています。
介護はこれからますます人手不足になると言われており、今いる人材はもちろん新規人材も介護の未来を支えるとても貴重な担い手となっています。
この記事では無資格未経験で当時ニートだった私が、介護へ転職して3年でグループホーム管理者になった経験をお話しします。
この記事でわかること
- 未経験から3年で管理者になった方法
- 介護職のツラいとこ
- 無資格未経験でも働きやすい介護施設
- 未経験に必要な資格
- 今後の介護業界
これから介護職としてやっていこうと考えている方は、今後の介護職としてのキャリアプランの参考にしてもらえたらと思います。
無資格未経験から介護転職を決意
私が介護の転職をしたきっかけは、母が介護の仕事をしていたことがきっかけでした。
介護のイメージは、【きつい・汚い・給料安い】と決していいイメージではありませんでしたが、24歳からニートだった私は、このままではいけないと心の底から思い、母の紹介で介護就職を決意しました。
当時は出来るのか不安という気持ちではなく、やらなきゃいけないと言う気持ちもあって、「まぁ出来るだろう」と前向きな気分でした。
【介護未経験】転職先は小規模多機能型居宅介護
母が紹介してくれたのは、自宅から歩いて5分でいける小規模多機能型居宅介護という事業所でした。
小規模多機能型居宅介護とは
中重度の要介護者となっても、在宅での生活が継続できるように支援する、小規模な居住系サービスの施設です。デイサービスを中心に訪問介護やショートステイを組み合わせ、在宅での生活の支援や、機能訓練を行うサービスです。
小規模多機能型居宅介護とは | 健康長寿ネット (tyojyu.or.jp)
出勤初日、施設長から「全くの初めてなのできちんと教えてあげて下さい」と紹介されたのを覚えています。
未経験の私が最初に経験した仕事は以下の通りです。
- 送迎
- レクリエーション
- お話し
- 身の回りの手助け
最初にした仕事は片麻痺の利用者さんのトイレ介助。もちろん慣れるまでマンツーマンで教えてもらいましたが、初めてお年寄りの下のお世話をして思ったことは「意外とできた」というのが率直な感想でした。
小規模は未経験でもおすすめ
小規模の特徴は以下の通りで、網羅的に介護サービスを展開しているところです。
- デイサービス
- 訪問介護
- お泊まりなど
特別養護老人ホームや介護老人福祉施設のように、重度な要介護者は比較的少なめで、認知機能や足腰元気な利用者さんも多くいらっしゃいます。
ただ小規模はデイサービスとしても機能しています。お年寄りを楽しませるレクリエーションも盛んなので、皆んなでワイワイ盛り上げるのが苦手な方は不向きかもしれません。
ですが重度な要介護者は比較的少なめなので、介護を始める入口としては入りやすい事業所だと感じました。
小規模が未経験向きとは思いませんが、当時無資格未経験の私でも取り組むことができたので、介護サービスがよくわからない方は、小規模多機能型に応募してみてはどうでしょうか。
もちろん周りの助けがあって出来た事ですが、泊り・訪問・デイサービスと幅広く学べるのでオススメです。
下のお世話は意外と慣れる
未経験の方の中には、下のお世話ができるかどうか不安に感じる人もいますが、意外と慣れます。
最初は強烈な臭いにやられそうになる時もありますが、それも本当に最初だけです。
介護に興味を持っている方で、下のお世話ができなくて断念した方はあまり聞いたことがありません。
【介護3ヶ月目】初任者研修取得を決意
仕事にも慣れてきた私は介護を続けていこうと決意し、転職から3ヶ月目に初任者研修を取得することにしました。
初任者研修とは…
介護職員初任者研修は、『在宅・施設を問わず、介護職として働く上で基本となる知識・技術を習得する研修』(厚生労働省より)です。 この資格を持つことで、介護職としてのキャリアがスタートし、正社員・パートなどのさまざまな働き方で活躍することができます。
介護職員初任者研修とは? – メリット・資格情報|ベネッセスタイルケア介護資格 (benesse-style-care.co.jp)
私が受講した初任者研修は週2回のスクーリングを3ヶ月間する内容、受講メンバーは20人もいない程度で介護を始めて間もない人や、まだ始めていないような方がほとんどです。
同じ境遇の方ばかりなので介護仲間はもちろん、仕事を始めるきっかけにもなる講座だと感じます。
【介護6ヶ月目】初任者研修取得後に転機
3ヶ月かけて初任者研修取得後に、勤めている法人で新しくサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)を立ち上げる事を知りました。
サービス付き高齢者向け住宅とは…
ご自宅とほぼ代わりない自由度の高い暮らしを送りながら、スタッフによる「安否確認」と、「生活相談」のサービスを受けることができる賃貸住宅です。 また、外出の付き添いや食事の提供など、さまざまなオプションのサービスが受けられるところもあります。
【はじめての方へ】サービス付き高齢者向け住宅とは?老人ホームとの違い|LIFULL介護(旧HOME’S介護) (homes.co.jp)
新規事業の立ち上げに参加できるチャンスはそうそうないと感じ異動を希望。上司の推薦もあり介護へ転職して6ヶ月でサ高住のリーダーとして勤務する事になりました。
サ高住は自由度が高い
サ高住に入居している人は自立の方から重度要介護者まで幅広い方々が住まわれています。
中には車を運転するような方もいるくらいで、事業所によってはかなり幅広いサービス種別です。
場合によっては重度な方の対応もしなければいけないので、未経験よりはある程度経験をしてからの方がオススメです。
6ヶ月でリーダーをしましたがオムツや介助方法など知識や経験は圧倒的に不足、それでも周りの助けで続けてこれました。
サ高住では初任者研修が活きる
サ高住内では訪問介護が積極的に実施されており、初任者研修を取得しているとかなり有利です。
訪問介護とは…
自分や家族だけで日常生活を営むことが難しくなった要介護者に対して、介護福祉士やホームヘルパーが自宅に赴き、入浴、排泄、食事等の介護、掃除、洗濯、調理等の援助、通院時の外出移動サポート等の日常生活上のお世話を行うサービスです(ただし、「夜間対応型訪問介護」にあたるものを除きます)。訪問介護を利用できるのは、居宅で生活を送る、「要介護」と認定された人です。ここでいう「居宅」には、自宅のほか軽費老人ホームや有料老人ホームなどの居室も含みます。
訪問介護とは | 健康長寿ネット (tyojyu.or.jp)
訪問介護は直接自宅へ赴き、一人で対応していく事もあって初任者研修の資格を保持していないと出来ない介護サービスになっています。
サ高住の居室も自宅と同様の扱いです。多くのサ高住では積極的に訪問介護が行われており、初任者研修の資格は必須事項になりやすいと言えます。
サ高住はピンキリ
サ高住は一般的な介護施設と比較してもかなり自由度の高いサービスです。その為、経営の仕方にも以下のように違いが出てきます。
- 1ヶ月数百万、富裕層向けの超高級サ高住
- 自立から重度要介護者まで幅広いサ高住
- 特養レベルのサ高住
サ高住は基本的に住宅という認識ですが、受け入れる利用者のレベルによってはナースコールが頻回でとても多忙なとこもあります。
逆に介護なんてほとんどないような所もあるので、サ高住がどういったレベルで受け入れをしているのか確認しておく事は大切です。
【介護3年目】管理者に抜擢
順調にサ高住で経験値を高めて2年3ヶ月目の事、再び転機が訪れました。
サ高住でのリーダー経験が認められてグループホームの管理者に抜擢されました。
グループホームとは…
認知症高齢者が住み慣れた地域で生活を続けられるようにすることがグループホームの目的です。 入居条件グループホームに入居するには、65歳以上、要支援2または要介護1以上の認知症患者である必要があります。 また、地域密着型サービスであることから、施設と同一地域内の住居と住民票があることが求められます。
グループホームとは?入居条件や費用からメリット・デメリットまで | 知っておきたい介護の知識 (irs.jp)
正直かなり不安でしたが、家族、同僚、上司などありとあらゆる人に相談し、介護歴3年目を目前にグループホーム管理者になる事を決意しました。
グループホーム管理者の要件の一つに、認知症介護に3年以上の実務経験があるため、実質介護を始めてから最短で管理者になったことになります。
グループホームは家庭の延長
グループホームのコンセプトは、認知症高齢者が住み慣れた地域で生活を続けられるように支援する事です。
主な仕事内容も、掃除洗濯や食事作り、買い物や入浴、トイレなど日常生活の支援が主な役割です。
グループホームでは家庭的な雰囲気を大切にしている所が多く、職員が利用者と食事作りをしたり一緒に食事を食べたりする所が多く見られる場になっています。
最初は慣れない管理業務に苦労しましたが、2017年に抜擢されてから現在もグループホーム管理者をしています。
無資格未経験はダメじゃない
未経験の良さは未経験であることです。
介護では無資格未経験から働く事ができる一方で、十分な教育を受けれず我流でやってしまう方も多くいます。
長年してきた我流を曲げるのはとても大変、未経験の方で真っ新な状態から指導をする方がお互いメリットになりやすいと言えます。
介護未経験の方はしっかり教育してくれるところでの就職が大切になってきます。
介護職としての未来に大きく影響するので、教育プログラムなどしっかり確認しておきましょう。
介護は少しずつ良くなっている業界
下記の表は過去5年間の介護職員の平均賃金となっており、5年間で約2万円近く上がっていることがわかります。
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
227,275円/月 | 231,553円/月 | 231,135円/月 | 240,878円/月 | 242,273円/月 |
令和3年度介護労働実態調査より
所定内賃金の平均額を支払形態別(月給の者、日給の者、時間給の者)でみると、月給の者の平均賃金は242,273円/月、日給の者の平均賃金は10,560円/日、時間給の者の平均賃金は1,231円/時間であった。
調査報告 | 介護労働安定センター (kaigo-center.or.jp)
また2022年10月から「介護職員等ベースアップ等支援加算」が新たに創設されたこともあり、国も介護業界の賃金アップを積極的に行っていることがわかります。
決して高賃金とは言えませんが、国も力を入れている職種でこれからも右肩上がりで伸びていく、将来性のある業界と言えるでしょう。
転職サイトを使った転職もオススメ
昔からハローワークや求人広告を使って転職先を探す方法もありますが、転職サイトや転職エージェントを使って転職先を探す方法もとても有効な手段の一つです。
理由としては、
- 求人広告には載っていない求人が多い
- 無料で条件にあった職場を見つけれる
以下が介護職向けのオススメ転職サイトなので、転職する際の参考にしてみて下さい。
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まとめ
- 【未経験】小規模多機能へ就職
- 【3ヶ月目】初任者研修を取得
- 【6ヶ月目】サ高住へ異動
- 【2年3ヶ月目】管理者に抜擢
- 【3年目】グループホーム管理者に就任
介護は無資格未経験から挑戦する人が多く、私もそういった方をたくさん受け入れてきました。
未経験からでも私のように最短で管理者までなれる道もありますし、管理者になれば今後のキャリアプランの幅も広がります。
真っ新なとこから始めれる未経験者は現場でも重宝される存在で、私たち管理者も期待している存在です。
低賃金などまだまだ課題はありますが、右肩上がりの業界である事も事実。挑戦する価値は十分にある業界だと感じているので、この記事をきっかけにチャレンジされることを期待しています。