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グループホームと言えば、食事作りや掃除洗濯などの家事全般、さらにはそれらの家事を利用者の方と一緒にやるといったスタイルを思い浮かべるでしょう。
しかし、昨今の働き方改革や、休憩や時間外勤務を厳しく追及される令和の時代に、このグループホームの業務形態は維持できるのか疑問です。

グループホーム管理者のさとしです。2015年から介護に転職、2017年から現在もグループホームで管理者をしています。
結論から言うと、グループホームで食事作りをするスタイルには限界を感じています。
この記事では、グループホームの食事に関連する現状について、独自の目線で解説していきます。
グループホームに関わる方は、ぜひ読んでいただけたらと思います。
グループホームのコンセプト

グループホームの問題点をお話しする前に、グループホームの役割を理解しておきましょう。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、認知症の高齢者に対して、共同生活住居で、家庭的な環境と地域住民との交流の下、入浴・排せつ・食事等の介護などの日常生活上の世話と機能訓練を行い、能力に応じ自立した日常生活を営めるようにするもの。
※引用:厚生労働省より
介護職員と一体的になって認知症高齢者の生活をサポートし、住み慣れた地域で最期まで安心して生活できる【第二の我が家】としての役割が求められています。
上記を踏まえた上で、グループホームの食事に関連する問題点を見ていきましょう。
グループホームの食事作りに関する弊害

食事作りがあることで起こる弊害は、以下の通りです。
実際、私の職場でも職員が食事作りをしていますが、介護をしながら食事作りを行うことにストレスを感じる職員がいるのが現状です。
- 人手不足になる
- 休憩時間が曖昧に扱われる
人手不足になる
グループホームでは介護はできても食事作りができない介護職員が増えています。
そのため、食事作りが原因でグループホームを敬遠する介護職員が多数存在しています。
以下はXで食事作りに関して発信したポストです。
主なX(エックス)の反応
- 介護は介護、調理は調理!
- グループホームは調理があるから辞めた
- 揚げ物しながら見守りできない…など
ありがたいことに、多くの反応をいただけました。
皆さんの反応からもわかるように、食事作りがあるからグループホームでは働かないといった声も多くありました。

【グループホーム=食事作り】といった印象は、今も根強く残っています。食事作りが原因で、介護の人材確保ができないのは、本末転倒ではないでしょうか。
休憩時間が曖昧に扱われる
家庭的な場を大切にするグループホームでは、食事作り以外にも、利用者と一緒に食事を食べる風習があります。
ですが、このスタイルが職員の離職を招いたり、転職の弊害となってしまっているのが現状です。
以下は実際に働く職員の声です。
主な職員の声
- 食事をしながら食事介助とか無理…
- え?!この時間休憩なの??
- 食事くらいゆっくり食べたい… など
利用者との食事の時間を休憩と扱われてしまう事業所もあり、それが負担になっていることがわかります。
別枠で休憩時間を設けていれば問題ないかもしれませんが、そもそも食事くらいゆっくり食べさせてほしいなどの声もありました。
特にグループホームは、家庭的な場を意識しすぎるがゆえに、休憩時間と仕事時間が曖昧に扱われてきた現場と言えるかもしれません。
利用者も重度化してきており、利用者と一緒に食事を食べるスタイルすでに限界なのです。
働き方改革などから、休憩時間や残業に対する考え方がシビアになった背景もあり、グループホームのあり方も見直していく必要があるのではないでしょうか。

私の職場では、コロナの流行を機に利用者と一緒に食事をするスタイルを廃止しました。
グループホームのスタイルは崩壊しつつある

冒頭から食事に関する問題点をあげてきましたが、すでに崩壊しつつあると考えます。
理由は、先ほどのXポストからもわかるように、湯煎で簡単にできる湯煎調理を取り入れているところが増えてきたからです。
実際に湯煎調理の営業もよく来られるようになりました。
謳い文句としては「人手不足を解消するために、調理を簡潔にしてその分時間を確保しましょう」といった感じです。
利用者と一緒に調理や家事をすることも役割の一つだったのですが、湯煎調理を取り入れるとその役割も担えなくなってきます。
このことからもわかるように、調理を負担に感じている事業所は増えており、調理は負担軽減や時短の対象なのです。
つまりこれまでのグループホームの常識は、すでに崩壊していると言えるでしょう。
結論

グループホームの今後のあり方
- 介護と調理はわける
- 食事を含めた休憩はきっちり設ける
これまで10名近く、新規で職員を採用してきましたが、調理ができる職員は4名、うち2名はやりたくない派なので、実質2名しかいませんでした。
ですが、食事作りがなく介護に集中できる職場となれば、グループホームへの応募も今より増えると感じています。
とはいっても、グループホームはまだまだ需要の高い施設なので、管理者としてはグループホームへの転職も視野に入れていただきたいと思っています。
食事作りがあるグループホームでも、勤務形態によっては食事作りをしなくてもよいグループホームもあるので、まずは確認してみましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。