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- 管理者にならないかと言われたけど不安…
- 管理者って具体的になにするの?
グループホーム管理者のさとしです。2017年からグループホームで管理者をしています。
管理者には介護の知識や技術だけではなく、人事や組織運営などマネージャーとしてのスキルも必要とされ、施設運営を支える為の大切な存在です。
この記事では、2017年から管理者を続けてきた経験をもとに、グループホーム管理者の役割や仕事内容を解説していきます。
この記事でわかること
- グループホーム管理者の役割
- 月、年単位でやるべきこと
- 1ヶ月の業務ルーティン
- 管理者のメリット、デメリット
- 管理者の給与
- 管理者になるために必要な資格
管理者になりたい方、管理者になる事に不安を感じている方は、最後まで読んでいただければと思います。
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グループホーム管理者の仕事内容とは
管理者の役割はマネジメント業務です。管理者になっても現場に入ることはありますが、管理者はマネージャーとしての役割がとても重要になってきます。
主な役割として以下の5つがあげられます。
- 利用者のマネジメント
- 職員のマネジメント
- 収支の管理
- 営業活動
- 行政や外部、地域との連携
- 研修、委員会、訓練等の実施
それでは一つずつ詳しく見ていきましょう。
利用者のマネジメント
管理者は常に利用者の状況を把握しておく事が求められます。利用者のマネジメントに関わる業務では特に以下の4つが重要です。
- 入退去の調整
- 健康状態の把握
- 介護サービス計画の見直し
- 急変時の対応
入退去の調整
入居時や退去時など、利用者や利用者の家族と必要に応じて面談や入退去日などの調整を行います。
健康状態の把握
日々の利用者の健康状態の把握は必要なことです。体調不良や急変時には医療と連携して適切な判断力も求められます。
介護サービス計画の見直し
スタッフや家族から利用者の様子や希望など聞き取り、最低でも6ヶ月に1回はケアプランの見直しが必要です。
利用者様の状態に大きな変化がない場合は6ヶ月に1度で問題ありませんが、転倒や急変でADLが著しく低下した場合は、その都度ケアプランの見直しが求められます。
計画作成については、ケアマネ業務になります。管理者と兼務する方のみ必要な業務です。
急変時の対応
救急車を呼ぶのか?様子を見るのか?医療機関とも相談しながら適切な対応を選択する判断力が求められます。
職員のマネジメント
職員のマネジメントは、人間関係のトラブルや離職を防ぐためにもとても重要な業務です。職員のマネジメントに関わる業務では特に以下の4つが重要になってきます。
- 採用、面接、指導
- 労働時間、有給休暇の把握
- 勤務表の作成
- 職員の観察
採用、面接、指導
採用から面接をするのも管理者の役割です。
また職員に対して、介護等の対応の仕方に間違いがある場合は、その都度注意をして適切な指導を行う必要があります。
面接はあらかじめ質問する内容を決めておき、「質問の意図」を明確にしておくといいでしょう。
≫【採用者向け】介護の面接で使える質問8選【誰でも受かる面接はNG】
労働時間、有給休暇の把握
正社員からパート職員まで働き方はさまざまです。扶養などの関係で1ヶ月の収入や時間に制限がある方も多いので、適切な管理が求められます。
有給休暇も働く日数によって付与されている日数は職員ごとに異なるので注意が必要です。
勤務表の作成
勤務表の作成はとても大切な業務で、特に以下の点に注意して作成することが大切です。
- 希望の勤務形態
- 希望休
- 相性の悪い職員
- 任せられる職員など
このようにバランスよく作成しないと職員間のトラブルに繋がってしまいます。
職員の観察
日頃から職員を観察している事で、いち早くストレスを察知することができます。
介護の離職原因で「職場の人間関係」がトップに入ってくるので、いい人材を集めて働きやすい職場環境を作っていくのも管理者の大事な役割です。
職員とコミュニケーションをとり、信頼関係を作ることが大事。
収支の管理
収支の管理に関わる業務は以下の3つです。収支に関わるやり取りは、家族や法人としての信頼に影響してきます。
- 利用者の小遣い
- 請求書等の発行、送付
- 事業所の収支
利用者の小遣い
お小遣いとしてお預かりしているお金があります。月に1回出納帳で収支を確認し、家族へ報告しなくてはいけません。
請求書等の発行、送付
毎月1日〜月末までの利用料と保険料の請求作業があります。
保険請求は間違えた請求を行うと、返戻となってしまい会社への収益が1月遅れてしまうので、注意が必要です。
国保連への保険請求の作業は毎月10日が締め切りです。
事業所の収支
毎月雑費や食費など、どれくらい使用したのか会社に報告しなければいけません。
必要な物、無駄な物をしっかり見極めることが大事。
営業活動
営業活動の目的には主に以下の2つがあります。事業所として運営していく為には必要な業務です。
- 新規利用者の獲得
- 事業所の広報活動
新規利用者の獲得
空室がある場合は居宅や包括、病院の連携室などへ営業活動が必要です。
空室が出ると1日あたり1室約1万円の損益。いかに早く入居につなげれるかがポイント。
事業所の広報活動
満床の時でも普段から営業活動をして、あなたの事業所を知ってもらう事は大切なことです。
普段から活動をしていると、空きが出てもすぐに成果に繋がりやすい。
行政や外部、地域との連携
外部等の連携には以下の6つがあります。特にグループホームは介護保険施設にあたるので、行政とのやり取りはとても重要です。
- 行政等への各種届出の提出
- 消防訓練の実施
- 地域行事への参加
- 外部評価の実施
- 運営推進会議の実施
- 物品等の発注
行政等への各種届出の提出
主な提出物には、事故報告書、加算の届出、アンケートや調査票などがあります。これらの提出物は期間内に速やかに提出する事が求められます。
提出まで数日しかないものもあるので、期限に余裕があっても溜め込まない事がポイント。
消防訓練の実施
消防避難訓練は年に2回実施する必要があります。そのうち1回は消防署の立ち会いが必要なので、管轄の消防署と連携が必要です。
立ち会いが必要ない場合でも実施の報告は必要です。
地域行事への参加
グループホームは地域密着型のサービスで地域住民の一員です。町内の行事にも積極的な参加が求められます。
主な地域行事は以下の通り。
- 町内の清掃
- 夏祭りや文化祭等のイベント
- 町内会など
地域との繋がりが強くなるので、地域行事は欠かさずチェックして参加することがポイント。
外部評価の実施
- 外部評価とは
- 事業所の行った自己評価と第三者による外部評価の結果を比較し、その事業所の良いところや今後取り組むべき課題を明確にして、サービスの質の改善を図ることを狙いとした取り組みです。
グループホームでは年に1回外部評価を実施しなければいけませんが、要件を満たした事業所は2年に1回となる場合もあります。
自治体によって要件は異なります。参考までに2年に1回になる要件を3つ記載しておきます。
- 外部評価を5回継続して実施していること。
- 自己評価結果、外部評価結果及び目標達成計画を評価機関に提出していること。
- 過去1年間に運営推進会議が6回以上開催され、かつ、市町職員又は地域包括支援センター職員が4回以上出席していることなど。
運営推進会議の実施
- 運営推進会議とは
- 地域密着型サービス事業所が、利用者、市区町村職員、地域住民の代表者等に対し、提供しているサービスの内容等を明らかにすることにより、地域に開かれたサービスとすることで、サービスの質を確保することを目的として取り組まれています。
グループホームでは2ヶ月に1回以上、年間6回行わなければいけません。
利用者家族や市区町村の職員、地域住民の代表者等に対して案内状を送り、事業所内または書面で運営推進会議を開催する必要があります。
開催後は行政に報告書の提出が必要です。
物品等の発注
オムツ類や生活必需品等の発注作業です。仕入れ方は事業所によって異なりますが、代理店を経由して発注するのが基本的です。
1ヶ月にどれくらい消費するのか必要な数を把握しておくことがポイント。
研修、委員会、訓練等の実施
グループホームでは1年間で下記の研修や委員会を実施しなくてはいけません。
- 実施が必要な委員会
- 身体拘束検討委員会(3ヶ月に1回以上)
- 高齢者虐待に関する委員会(年2回以上)
- 感染症まん延防止に関わる委員会(年2回以上)
- 実施が必要な研修
- 身体拘束(年2回以上)
- 高齢者虐待(年2回以上)
- 感染症(年2回以上)
- 非常災害等に関わる業務継続(年2回以上)
- 実施が必要な訓練
- 消防避難訓練(年2回以上)
- 感染症(年2回以上)
- 非常災害等に関わる業務継続(年2回以上)
- その他、自治体が定めた訓練
上記は実施が義務化された研修・委員会・訓練で、実施を怠ってしまうと減算でペナルティを受けてしまいます。
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グループホーム管理者の1ヶ月の仕事内容
私の仕事のルーティーンは、下記のように1ヶ月を3つに区切って考え、それぞれの期間内にやるべき事を決めています。
- 1〜10日の上旬
- 11〜20日の中旬
- 21〜31日下旬
1〜10日の間にする業務
- 請求作業
- 収支の報告(会社、利用者)
- 給与の計算
- 運営推進の資料作成(2ヶ月に1回)
- 請求書作成、発送
- 備品の締め、発注
月初は一番忙しい時期です。慣れたら一日で終わりますが、請求書の発送は保険請求が確定する10日です。
必ず事務作業する日を作りましょう。1〜10日の間に1日でもあれば効率よく進めれます。
11〜20日の間にする業務
この期間はやり残している仕事はないか、出来ることはないか周りを見直す期間です。
10日までに必要な管理業務を終わらせておけば、急な調査依頼や書類の作成にも余裕を持って対応できます。
21〜31日の間にする業務
- 勤務表の作成
- 月初に向けての準備
勤務表は21〜25日の間で完成を目指しましょう。
勤務表が完成したら月初の準備を始めることで、効率よく月初の作業に移れます。
≫【夜勤はダメ】介護管理者が夜勤をすると起こるデメリット3選【グループホーム管理者が解説】
グループホーム管理者になるメリット
管理者になるメリットは以下の通りです。初めは苦労をすることが多いですが、管理者をすることは経験や実績を作る上で必要なステップです。
- 給与アップにつながる
- マネジメントを学べる
- 行政や地域、他の事業所の方との交流
- 転職に有利
給与アップにつながる
介護労働安定センターの「令和3年度介護労働実態調査」の調査内容によると、管理者の平均賃金が370,087円/月(月給)、賞与の平均は818,485 円、年収が 5,209,2423 円という結果でした。
管理者以外の労働者の平均賃金が242,273円/月(月給)だったので、一般の介護職員とは13万円近くの差がある事がわかります。
参照元URL:介護労働安定センター
マネジメントを学べる
介護管理者のマネジメントは主に利用者、職員のマネジメントがあげられます。
利用者の場合だと介護計画の見直しや入退去の支援、職員の場合だと面接や採用、指導、教育があげられます。
現場の介護職では経験できないことが多いので、マネジメントの経験はあなたの強みになります。
行政や地域、他の事業所の方との交流
営業や行政とのやり取りで他の事業所の方と交流する機会が増えます。
利用者の入退居に関わる時には、カンファレンスなどを通じて密に連携を取る機会が増えるので、覚えてもらえたり次回の入居に繋がることもあります。
介護で長く活躍したいと考えている方は、管理者の経験は必須です。
転職に有利
管理者の経験があれば転職にも有利になります。
介護の知識やスキル、介護以外でもマネジメント力など高く評価される為、介護だけではなく多職種の転職にも有利と言えます。
介護系管理者なら介護系管理職に特化した、下記の転職サイトがオススメです。
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グループホーム管理者のデメリット
グループホーム管理者のデメリットは、休みが取りづらいところです。休みが取りづらくなる要因として以下の3つがあげられます。
- 利用者の急変や体調不良
- 職員の急な欠勤
- 管理者への外部からの連絡
利用者の急変や体調不良
利用者の急変や体調不良の時には、管理者の的確な判断が必要とされます。
急変や体調不良は現場の介護職だけでは判断できないことも多く、管理者や看護職の指示が必要になるからです。
持病を持った利用者も多く、急な発熱や痛みなど休日や時間外に相談の連絡が来ることは決して珍しいことではありません。
場合によっては出勤しなければいけないこともあるので、利用者の急変には必ず対応が必要です。
職員の急な欠勤
利用者ほどではありませんが、職員も体調不良で欠勤することもあります。
代わりの職員が見つかれば問題ありませんが、職員の欠勤には管理者が代わりに出勤することも多いです。
人員不足の時も自身の休みを減らして出勤することもあり、欠勤が重なると体力・精神的にもキツくなります。
まずは周りの職員を頼りましょう。代わりに出てくれる職員もいるので、どうしても代わりがいない場合に対応することをオススメします。
管理者への外部からの連絡
外部からの連絡は基本的に管理者あてへの連絡がほとんどです。
管理者が不在だと現場の職員だけではわからない内容も多く、確認するために管理者へ連絡する流れになるでしょう。
例えば、空室状況や空き待ち状況、行政や医療機関等からの連絡があげられます。
管理者あての外部からの連絡は平日がほとんどです。管理者はなるべく土日祝日に休日を取ることで休日の電話連絡を回避できます。
グループホーム管理者に必要な資格
グループホームの管理者になる為の要件は以下の2点。
- 介護施設や在宅サービスの介護職員として認知症高齢者の介護に3年以上従事した者
- 厚生労働大臣が定める、認知症対応型サービス事業者管理者研修を修了した者
上記要件を満たせばグループホーム管理者になる事は可能ですが、自治体によっては認知症介護実践者研修の修了が必要な所もあるので市区町村で確認が必要です。
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まとめ
私は27歳で未経験から介護に転職、その後29歳で管理者に抜擢されました。
最初は管理者なんて簡単に出来ると思い込んでいた私も、1年目は職員のマネジメントでとても苦労しました。わかっているようでわかっていなかったのです。
一番苦労したのは職員のマネジメント。コミュニケーションについて全く理解できていなかった私は、職員のストレスを軽減していく事、気づく事が出来ず何度か離職者もでました。
これではいけないと思い、管理者について日々勉強でした。そんな私でもここまで来れるんです。
管理者は日々勉強です。今こうして管理者について学ぼうとしているあなたは、管理者としてしっかり行動している方です。
管理者として職員や地域、外部の関係者に認知されるのに1年以上の期間は必要です。
焦らずじっくり経験を重ねていけば、2年目、3年目とあなたの理想とするあなたの色が出た施設となっていくので、管理者になれるチャンスがあれば積極的に挑戦してほしいと思います。
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